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婦人画報 復刻版
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発行
近事画報社。
初代編集長は国木田独歩。
発刊の目的
「女界の活動、教育、好尚(嗜好)、流行などの事実を画報し得て、さらに善美なる傾向を助長」することを
目的として創刊された。
『婦人画報』の創刊号に記された初代編集長・国木田独歩の「発刊の辞」は、当時の理想の女性像を発信するために発刊された雑誌であることを力強く物語っている。
発刊の辞
「征路の役起りて以来は我國婦人の活動殊に目覚ましく、又女子教育の如き戦時の故を以て或は退歩すべくして実際は之に反し実に空前の盛況を見ること、誠に聖代の賜と謂つべし。
此雑誌は此時勢に促されて生れたるなり。則ち時勢の要求に応じたるなり。幸に能く女界の活動、教育、好尚、流行等の事実を畫報にし得て、更に善美なる傾向を助長し得ば本誌の発行亦た徒爾ならず。」
収録
1905(明治38)年7月創刊号から1912(明治45)年12月発行号までを10回に分けて刊行予定。
第1回配本は1905年(明治38)7月から1906年(明治39)5月発行号までを収録。
第2回配本は1906年(明治39)6月から1907年(明治40)6月発行号までを収録。
仕様
大型のB5版、月刊。定価25銭(大正末期には画報56ページ、読み物192ページ、定価80円)であった。
構成
発行当時は、画報40ページ、読み物60ページという二部構成。
社会的背景
近代日本社会の産業(メディアや印刷技術)と女性の意識の変化・社会への進出、明治期以降急速に大衆に普及した活字メディア。明治末期から大正期にかけて多くの商業雑誌が刊行された。
意識に目覚めた女性にとっては(生活の)貴重な情報源であった。
女性雑誌が商業誌として成立する為には、一定数の購読者層の存在が必要。近代日本における女子教育の進展とそれに伴う女性の読者の誕生があって初めて婦人雑誌が存在しうる。明治維新以降、明治政府は近代国家の形成において女性に対して国民としての新たな役割を求めた。
その重要な役割となったのは、良妻賢母主義(=家族制度の下で夫につかえて家を守り、時代の国民を育成する役割を果たすこと。学制発布時以来女子教育の理念として発展した。)に基づく学校教育、情報誌。
大正期は商業雑誌が大衆化し婦人雑誌の新しい潮流が生まれる。大正中期から飛躍的に発展を見せた新中間層の拡大と、女子中等教育の充実によって支えられていた。
特徴&記事内容
①戦前期四大女性雑誌のうち唯一明治期から刊行され、日本最古の婦人総合雑誌。
②購読層は、皇族を含む上流階級から高等女学校卒業程度の教養を身に着けた一定の知識層
(知性豊かな富裕層女性)であった。
③明治後期、国家の教育理念として確立された女性のあるべき姿としての良妻賢母の精神を踏襲している。
④画報の名が示すように視覚に訴える写真版が売り物であった。
⑤アート紙を用いた画報には皇族、華族、知識階級の写真が多く掲載され、各家の令嬢達の美しく着飾った写真と氏名、身分、年齢、学歴が記載されている「令嬢鑑」と題したページも人気だった。他にも国内外の女子の活躍、女子教育の場、流行の服装や髪型などが紹介されている。
⑥本文の読物では、女性の教養やたしなみ、家庭改善、季節料理等が取り上げられ、小説も多数掲載。
⑦掲載内容は、カルチャー、趣味・実用、流行、ファッション、美容、芸能(演劇・映画・音楽など)、文芸、広告など多岐にわたる。
⑨日本で初めての本格的西洋料理のビジュアルレシピ、欧米のイブニングドレス、大隈重信の女性論、与謝野晶子が常用する化粧品、「古語」が日常的に使われている記事がある。
⑩「我が国婦人の活動殊に目覚ましく」と高らかに謳った記事が多く掲載されているが、それは「発行の辞」の文言そのもの。
日本のジェンダー平等の実状
146カ国中116位。アジア各国に比べても低く、先進7カ国で最低。 世界経済フォーラムが各国の男女平等度を比較した2022年版の「ジェンダー・ギャップ 報告」
拡がる男女格差、非正規雇用の多い女性の失業と貧困。進まぬLGBTへの差別。女性への啓蒙、地位向上や社会進出にエールを送り続けた『婦人畫報』。現存する日本最古の女性誌から日本女性の未来像を探る。
販売価格
発行当時は、定価25銭(大正末期にはグラビア56ページ、読み物192ページ、定価80円)であった。
蔵書状況と希少性
国会図書館は、1905(明治38)年以前は2冊のみ。1905年以降はマイクロ。
明治期所蔵は国内25大学。
海外は、・議会図書館・コロンビア大学・コーネル大学・ボストン大学(1945~東京社~)
・ハワイ大学マノア校(マイクロ)・オーストラリア国立図書館・ビクトリアナショナルギャラリー(豪州)
・カリフォルニア大学(1945~東京社~)・バークレー校(1945~東京社~)
・スタンフォード大学(1909〜1944)・1931~東京社~ (off-campus storage))
・ビクトリア&アルバートミュージアムナショナルアートギャラリー(イギリス)
・カンサス大学(東京社、婦人画報社 1945)・グレンビュー公共図書館
解説文(敬称略)
青木淳子 歴史文化学研究者 学際情報学博士(東京大学) 大学非常勤講師(大東文化大学 他)
お奨め対象
社会史、女性史、日本文化・芸能史、服飾史、皇族史、教育史、メディア史、
表象文化史、近代史、写真史(報道・リアリズム研究)の研究者
大学図書館・公共図書館
本書籍導入のベネフィット
同一プラットフォーム内の書籍・雑誌・新聞に掲載されている用語との「横断検索」が有効です。ジェンダー、
ファッション、社会、政治、メディア等に関する書籍や新聞記事との「横断検索」もお勧めです。
それ以外にも、民主的傾向・娯楽性・風俗性の強い雑誌など、同時期に刊行された様々な刊行物との比較・検証がお勧めです。
学部や学科、ジャンルの壁を越えて、思わぬ発見をする可能性があるからです。
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